口の渇き（ドライマウス）の症状・原因を解説！
口の渇き（ドライマウス）は、一時的なものから慢性的なものまであり、日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。唾液の分泌が減少すると、口腔内の健康が損なわれ、さまざまな不快な症状や合併症が発生する可能性があります。
本記事では、「ドライマウスの基本」と「口の渇きの症状や原因」について解説します。当記事を通して、口の渇きにお悩みの方にとって参考になればと思います。
口の渇き（ドライマウス）は、口腔内の唾液の分泌が減少し、口が乾燥する状態を指します。医学的には「唾液分泌低下症」とも呼ばれます。この状態は、一時的なものから慢性的なものまでさまざまで、日常生活に大きな影響を与えることがあります。唾液は、口内の健康維持に重要な役割を果たし、消化の促進や口内の潤滑、細菌の抑制などの機能があります。そのため、唾液の分泌が不足すると、さまざまな問題が生じる可能性があります。
ドライマウスは多くの人々に影響を与える一般的な問題です。例えば、50歳以上の成人の約30%が何らかの形でドライマウスを経験していると報告されています。また、特定の薬物治療を受けている人や、特定の病気を持っている人の間では、さらに高い割合で発生します。この問題は、加齢とともに増加する傾向があり、高齢者では特に注意が必要です。
ドライマウスの主な症状は、口腔内の乾燥です。唾液の分泌が不十分になることで、口の中が常に乾燥しているように感じ、水分を頻繁に補給する必要があります。特に朝起きたときや夜間に乾燥感が強まることが多く、不快感を伴うことが一般的です。また、口腔内の乾燥だけでなく、のどの渇きもドライマウスの典型的な症状のひとつです。のどが乾くことで、話すことや食事の際に飲み込む動作が難しくなり、さらに感染症や炎症を引き起こすリスクも高まります。
唾液の不足は味覚にも影響を与え、食べ物や飲み物の味が変化したり、甘味や塩味、酸味、苦味の感覚が鈍くなることがあります。これは唾液が味覚受容体の正常な働きをサポートする役割を担っているためです。さらに、潤滑不足が原因で口内炎や舌のヒリヒリ感が生じる場合もあり、これらは食事や会話をする際に不快感を伴うだけでなく、口腔内の健康状態をさらに悪化させる可能性があります。加えて、唾液が細菌を洗い流す役割を果たしているため、その分泌が減少すると口臭が発生しやすくなります。口腔内の乾燥による細菌の増殖が悪臭の原因となり、唾液分泌の不足が続くことで慢性的な口臭の問題を引き起こすことがあります。
ドライマウスの原因にはさまざまな要因があり、薬物治療もその一つです。抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、降圧薬、利尿薬などの薬は、副作用として唾液の分泌を抑制することがあります。また、加齢に伴い唾液腺の機能が低下し、高齢者ではドライマウスのリスクが特に高まる傾向にあります。さらに、糖尿病などの特定の病気も唾液腺に直接影響を与えたり、全身の健康状態を悪化させることでドライマウスを引き起こすことがあります。
他にも、頭頸部の放射線治療が唾液腺にダメージを与え、唾液分泌が減少するケースも多く見られます。これに加え、水分摂取が不足して脱水症状になると体内の水分が不足し、唾液の分泌も減少します。さらに、喫煙やアルコールの過剰摂取といったライフスタイルや習慣も唾液腺に悪影響を及ぼし、ドライマウスの原因となる可能性があります。これらの多様な要因が複合的に関与することで、ドライマウスが発症しやすくなります。
ドライマウスの予防には日常のケアが重要です。定期的な歯科検診と口腔ケア、適切なブラッシングとフロッシングが推奨されます。さらに、十分な水分補給も欠かせません。特に、運動後や乾燥した環境にいる場合は、こまめに水分を補給することが重要です。また、バランスの取れた食事を心がけ、ビタミンやミネラルを豊富に摂取することで唾液の分泌を促進します。一方、辛い食べ物や酸性の食べ物は控えるようにしましょう。
ドライマウスは口腔内の健康にさまざまな悪影響を及ぼします。その一つが歯周病のリスク増加です。唾液には歯と歯茎を健康に保つ役割がありますが、分泌が不足するとその保護効果が低下し、歯周病にかかりやすくなります。また、唾液は虫歯を防ぐ働きも担っていますが、その量が減少することで歯の再石灰化が十分に行われず、虫歯のリスクが高まります。
さらに、唾液には口腔内の細菌の増殖を抑える作用があるため、分泌が不足すると口内感染症が発生しやすくなります。これにより、痛みや不快感だけでなく、さらに深刻な健康問題を引き起こす可能性もあります。ドライマウスを放置することで、これらのリスクが高まるため、早期の対策が重要です。
ドライマウスは日常生活に多くの影響を及ぼします。食事中には、食べ物が口内にくっついたり、飲み込むのが難しくなったりするため、食事を楽しむことが難しくなります。会話では、口の渇きが話すことを困難にし、発音に影響を与えることがあります。特に長時間話す必要がある場合には、頻繁に水を飲む必要があります。さらに、ドライマウスは夜間に口が乾燥することで睡眠を妨げることがあり、これにより夜中に目が覚めることが増える可能性があります。
ドライマウスは、多くの人々に影響を与える一般的な問題ですが、適切な理解と対策を講じることで、症状を緩和し、生活の質を向上させることができます。早期に対応することで、ドライマウスの症状を軽減し、合併症のリスクを減らすことができます。定期的な口腔ケアと専門医の診断を受けることが重要です。
広島市安佐南区で歯医者をお探しなら「こころ歯科クリニック」にご来院ください。
虫歯や歯周病の治療だけでなく、小児歯科、入れ歯・インプラント治療、矯正治療、審美治療・ホワイトニングなど幅広く診療しております。平日19時まで、土曜日は13時まで診療しております。